第15章 四国の旅1

 
 

四国の旅1〜徳島〜

こま犬おはな

年末年始仕事の休みが何と9日もあることが判明。さてどこへ行こうか…。普段はなにはつらい日々を送らせている私としては一緒にいられる野宿の旅を考えた。

野宿というと「くさ〜い」と言われてしまうが、はなとわたしは野宿の旅をする。一応、私は女なのでテントで野宿ではなく車の中で寝泊まりをする。インチキ野宿である。

寝るところもよほどでなければ道端ではなく、道の駅、許可を得た駐車場、高速道路のサービスエリアなどである。布団と食料と着替えをいくつか車に積んで気のむくままに旅をする。予定はその日に決める。この旅は本当に楽しい。日本は温泉がいたるところにあるので、温泉の前を素通りできない私は温泉の前を通るように走る。1日3回入るとすべすべお肌を通り越して、油気が抜けてぱさぱさになってしまうほどである。そして眠れる場所を探して車の中で日没とともに眠る。実に楽しい…

はなは車で何時間も待つことができるが必ず運転席に座る。運転してみる?コラムミッションだけど

12月26日(土)

準備ができないまま出発の日を迎えてしまって朝から大慌てだった。連日の忘年会で寝不足、疲れきっているのを四国で癒せるといいなあと思いながら、はなのえさ、タオル、ペットシーツなど荷物を積み込んで出発できたのが11時。一度は名古屋インターの近くまで行ったのだかストーブ消したかな…と戻ってしまったのでロスタイム。そういうときは消してあるのが世の常。私の人生いつもこんなんだなあと、嘆きつつ・・・。はなはいつもの実家への10分のドライブと嬉しそうに乗り込んていた。

その日のうちに徳島入り。(徳島、鳴門公園駐車場泊)

 

前回の北海道のときははなはまだ4ヶ月の子犬だった。トイレが3時間おきで助手席にペットシーツを敷き詰め簡易トイレを作っていた。車の中で寝ていても強烈な匂いで目が覚めた。今回はなはどうするだろう…北海道のときと同じ用意をして寝た。…はなはもう大人になったようで朝まで寝ていた。途中起きたりしているようだったが彼女の体で遊べるスペースは車の中にないので外を見たりしてまた眠りに付いていた。いいぞ!はな。

12月27日(日)

とあるチャットコーナーでお知り合いになったあきさんという方が徳島に住んでいらっしゃるとのことで急遽オフ会をお願いした。一番札所で待ち合わせた。あきさんは、はなのことはこのページを見て知ってはいたが、実物を見て驚いた様子だった。お寺の境内にはなと入ったが、はなは嬉しくって興奮していた。あきさんにはなを持っててもらいお参りをしたが私が離れるとはなは「わんわん」ないた。

最初は車で待たせることも・・

お寺が進むにつれあきさんに慣れてきたはなは黙って待てるようになっていった。 27日最後のお寺12番札所焼山寺。あきさんはいっしょにここまでまわってくれた。焼山寺は11番藤井寺より思った以上に離れており、お寺の駐車場についたのは日も暮れかかった5時前だった。納経所は5時で終わってしまうのでその前にお寺に入らなければならない。

あきさんが「私が先に走ります」と納経帳を持って走り出した。

はなは放してあったので走り出したあきさんがなぜ走っているのか知りもせず、嬉しそうに一緒に走った。日暮れの山深い参道を走るはなとあきさん…かなり印象深いものがあった。(道の駅どなりに泊まる)

あきさん、最後まで付合ってくださって本当にありがとうございました

 

はなは初めての人そして大きさに驚いている人に必ず「うおううおう」と吠える。この旅での目標急遽決定、はなに度胸を付けさせようと思った。人にあまり触れさせず育ててしまったので警戒心がある。我が家の“α犬”以外の男の人にも慣れてないので、あきさんには警戒した。10分もあれば慣れてしまうのに…10分も人ははなの前にいない。その後もはなを触りたい人が続出したのに、はなは限られた人以外には警戒したままこわばった。さっと逃げるとき彼女の体は大きいので子どもにでもぶつかったらあぶない。混んでいてもはなを連れてお寺をまわることにした。

 

私の父親と弟は15年以上前に歩き遍路をしている。遍路をしようと思ったとき、父親に「お遍路したら何か良いことあるかなあ」って聞いた。

「そんな事考えているようじゃまだまだだ!」と一喝された。

しかし、その話をあきさんにしたら「でも、きっと、良いことがありますよ」と言ってくれた。このあきさんの言葉が妙に心に残っていたのだが、そのとうり。いいことの連続の旅が始った。