第17章 四国の旅3

 
 
四国の旅3〜高知〜

12月30日(月)

毎日、毎日、人に優しくされ、声をかけてもらい充実していた。 たとえば、徳島の景色があまりにもきれいなので、はなと2人で車を降りてボーっと見ていた。そこへ地元の人が通りかかり『きれいか?』と聞かれ『きれいです』と答え、話している最中にみかんをすっと渡してくれる。こんなさりげない心遣いにはなかなか名古屋では会えない。

四国は自然がたくさん残っていてすばらしいところだった。

出発するとき、「今日もいい一日だといいね!はな!」と言ったらはなは笑った。 いくつかお寺をお参りしたところで見知らぬ2人連れが話し掛けてきた

「マラミュートだね」

「はい、分かりますか?初めてマラミュートって言われました!!」

「ハスキー飼ってたからね」(そうか、ハスキー飼ってた人には分かるなあ)

「名前は?」

「はなです」

それからお寺を一緒にまわっていると、突然

「今日は家に泊まりなさい!野宿でお風呂も入ってないんだろう!」

「いえいえ、お風呂入ってますし、そんな突然、犬もいるし…」

「もう家族には連絡したから、泊まりなさい、お風呂にも入ってないだろうし」

(お風呂は入ってますって…)押し問答の末、吉田さんの家に吉田さんの知り合いの神戸からの陸さんと泊めていただくことに。

話をきくと、1月初めに赤ちゃんを産むラブラドルがいるとのこと。メス同士、お産前…はなは車の中だな…と考えていた。

家に着く直前、「名前は?」と私の名前を聞かれた。(この旅中、私はこんな扱いであった)

私の予想に反してラブラドルのオリーブとはなは一度の散歩で仲良しになった。 泊めていただいたおうちも無類の犬好きで家の中でオリーブは暮らしていた。 飼い主と離れちゃだめとはなを家の中で寝させるように勧めてくれた。

『楽しいんだもん!そりゃ、もう大騒ぎさ!!』

しかし、はなはオリーブの領域で、興奮状態にあり寝る雰囲気ではなかった。今までのはなにはないほど暴れた。私は2時にはなを連れて車へ行った。これも1つの経験である。遊びたい気持ちの持っていきようが彼女はわからないようだった。

オリーブと2人で興奮しきって自分自身のコントロールを失っているはなは 車に戻ったことで落着かなければいけないことを思い出したようであった。

しかし、寝ようとても何かが彼女を起こしてしまうようだった。私の体に頭をのせて目をつむったり、いつもの定位置の助手席に横になったりしていたが、「ひーっ」といううめき声と共に立ち上がってしまう。

自分を落ち着けるためにあらゆる体勢をためしているはなに「がんばれー」と声をかけずにはいられなかった。はなは30分後眠りに就いた。(吉田さん駐車場泊)

次の日、別れ際に吉田さんは、はなに“いぬガム”を一袋「はなちゃんに」と渡してくれた。

黒ラブオリーブ!おーちゃん、はなと遊んでくれてありがとう。もういい子は生まれたかな?

まさにこの表情はラブでなければできない!

吉田さん、奥さま、本当に、お世話になりました。

 

 

番外吉田さん、四万十のうなぎおいしかったです。