北海道に入るこの頃からメス1号が左前足を引きずるようになる。どこかで怪我をしたようだ。いつも遊ぶ森町の公園でもメス1号は足を引きずっていた。詳しく見てみても怪我をしている様子はないのだが引きずっていた。
この件では計4軒の獣医さんに行くことになったが、GWのさなかでもありメス1号の足をどんどん化膿させてしまい、最終的にパッドの1/3と爪を失うことになった。
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森町では小学校の野外学習といっしょになった。
あまりにも子犬に触りたい子供の数が多いのではなを木に繋いで私からも先生からもはなを触らないようにと言って子犬たちと遊んでもらった。
「犬はこうやって匂いを嗅がせてから触るんだよ!」なんて犬博士数名発見!
「良く知ってるねぇ!」と誉めると鼻の穴を広げ自慢気&うれしそうな満面の笑みで胸をはった。
触らないでと言われてもはなを触ってしまう子供続出。
黙って触らせているはなを見ているとそんなに神経質になることでもないかと思うが、やっぱりハラハラ。。。
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子犬たちは楽しい休憩でくたくた。眠りこけるデリカ・・・この寝顔もいとおしい。
5月2日
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がんばれ!はながいなくてもりきおじさんには挨拶できるぞ!がんばれ!!
奥からタロ・優・サラ・デリカ
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ジンギスカンオフと称し札幌地区のマラミューターたちとジンギスカンに舌鼓をうつ。ここでデリカをビス家に引き渡すことになっていた。
はなとビスコは仲が悪い、成犬のメス同士当たり前の話である。あまりにもはなの匂いのする子犬をビスコにあわせるのはどうかと子犬が生まれてからビス母とは対面のさせ方を散々話し合った。結果、はなと私が届けに行くのではなく別のところで渡してそのまま車で移動してはなの匂いを消してしまおう、そしてビスコの気分のいいとき・・・散歩をしながらビスコといっしょに道端に落ちているデリカを拾って貰おうと考えていた。
作戦大成功!はなの強力な教育に合っていたデリカはきちんと挨拶をして何かあればごめんなさいのポーズで対応してビスコに気に入られた。
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デリカの巣立ち
一番最初に生まれてきたデリカ、あなたの生まれたときの喜びは一生忘れないよ。
ビスコを立ててしっかりついていくんだよ!
5月3日
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やっぱり雪は大好き、狂喜乱舞する子犬たち
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サラ、阿寒湖見えてる?
夕方、阿寒湖に到着する。目的はいつもお世話になっている白手民芸店に子犬を見せに行くこと、、、、
そして熊彫り師の藤戸さんのところに子犬を置いてくることでした。
結果、撃沈する。
ノーアポで「犬を飼ってください!」と藤戸さんのところへ・・・。偶然にお会いできたがお願いしたところしばらく考えて・・・結果は「NO」。相当体格のいい人だけど67歳、ぷらっと旅に出ることが多く家族が代わりに見れるサイズではないと考えて・・・そりゃそうだ、と無理強いもせず行った数と同じ数で帰ることになる。
そしてなぜか熊のマスクの木彫りを一個渡され。。。私が子犬を置いてくるつもりだったのに熊連れて帰ってくることになった。全然ダメじゃん。
GWでどこの宿も一杯になっているのだが長旅で野宿はだめだと無理やり宿を取ってくれた。宿は阿寒にある食堂&ホテルの一室だった。そこのご主人と友達が飲んでいるところに招いてもらい1杯ご馳走になる。ここでもすべて何から何まで説明しなければいけないことになる。
お友達が帰られるときに「ねぇ、外にいる犬ってはなって犬?」はなは車の窓を開けて飛び出し、食堂の入口の前にいつも家で玄関にいるように座っていた。「ひゃ〜〜〜。」はなを回収してお友達には無事帰っていただいた。
5月4日
阿寒湖のスキー場で子犬たちと雪で遊ぶ・・・そこに落ちているのは鹿の糞でほっておくとみんな食べようとして大変だった。メス1号は化膿した前足が痛く、みんなについていこうとしては立ち止まりを繰り返していた。私はその姿が辛く、動物病院を見つけてやれないのを悔いていた。
メス1号はほとんどを車の中で待たせた。阿寒湖のスキー場ではメス1号にも雪を経験させたくて連れて行ったが、10kg近い子犬を持ち歩くのも大変でだっこしては下ろして歩かせみんなと一緒に遊んだ。そして白手民芸店の中にメス5号を入れてもらいニワカ看板犬を勤めた。
メス5号は性格がおっとりしており民芸店の店主はメロメロになっていた。
ここで強く勧めたらきっと飼ってもらえただろうが、50を越えているご夫婦にお任せするのも心苦しく私は何も言わなかった。今思えば正しい判断であっただろう。
阿寒では観光客に大人気でみんなに抱かれかなりの記念写真に収まった。いつも人気だったはなは・・・オオカミみたいにガリガリでヴ〜ヴ〜ガウガウやっているので今回は誰にも撮ってもらえず・・・
その日の出来事・・・阿寒湖畔に車を止めて白手民芸店の人と子犬のことを話していた。そのとき、はな号にはなが乗っているのに気が付いた散歩途中のチョコラブ、車が揺れるほどはなに向かってガウガウやり、飼い主さんは引っ張られっぱなし・・・こりゃ大変だなぁ。なんてのんきに見ていた。その数時間後、出発のため準備をしているとき、子犬達ははなから離れないのではなをリードで木につなぎ、子犬たちにトイレをさせていた。私はゲージの片付けやら子犬のうんこ拾いをしていると・・・
そのチョコラブの飼い主さんの「だめだめだめ〜」の声と共にガウガウワンワン言いながらラブがはなたちに突進してきた。子犬達はおしっこをチビリながらクモの子を散らすように逃げ1頭が追われ・・子犬が逃げる・・ラブが追う・・nojiが「やめてぇ〜」と叫びながら追う・・・はながリードの金具を壊し、それを追い・・・子犬達は車の下に逃げ込み数頭は観光客の人達が子犬を抱っこしてくれた。飼い主さんに捕まるまでの間、興奮してワーワーやっているラブにはなが仕返しに行ったので止めないと!とそれにも走り・・・側に行くと捕まえられたラブの興奮度合いにはなも呆然と見ているのではなに新しいリードをかけ・・車に入れました。
ラブの飼い主さんからは何も言葉はなく・・・。
はなも何度もリードを放されたラブに襲われていますが、今回も飼い主さんはあっさりリードを放し・・・ちょっと信じられない出来事でした。はなを車にしまった後nojiの手を見ると血がべっとり・・・「誰か怪我している!」とみなさんに子犬を確認してもらったのですが・・無傷、はなも無傷・・
「あなたじゃないの?!」と手を見ると私が切れていました。自分だと分かると痛い痛い・・。
5月5日
阿寒より札幌に戻り、kazuさんちにとめてもらった。移動中は子犬たちは本格的に運搬用ゲージンに慣れてきて野宿の旅が尋常ではないほど楽しく・・・『このまま放浪生活をスタートさせるか?!』とマジで考えてしまうほどだった。
雪の残るスキー場で放せば2ヶ月の子犬たち雪に狂喜乱舞し・・・足の悪いメス1号を抱っこして山を散策したり・・・はなとのいつもの野宿旅の5倍の楽しさでした。
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この野宿の旅では止めていただくおうちすべて話し込んでしまい睡眠時間3〜4時間が続いた・・・止めていただいて言うのもなんだが、絶対野宿している方が寝られる。ここで朝方、オス4号と1号の喧嘩を止め、方法をしくじったので私も噛まれひどい怪我をしてしまった。さすがにkazu夫人が治療一式を用意していただき私は化膿せずに済んだ。(ありがとうございました)
昼過ぎにkazuさんちを出てビス家でデリカがどうしているか、新たな訪問者として尋ねた。分かるところで待ち合わせたのだが、ビス父が自転車で来てくれて・・・私はビス家までの道のりをチャリンコで先導されるという変わった体験をした。
ビス母やビス父とはいつも北海道の通りすがりでお会いするくらいでほとんどまともに話したことがないのを気づくくらいいろいろな話をした。デリカのこの先ビスコともめることがあるのかもしれないがこのご夫婦なら楽に乗り越えるだろうと安心していた。
この日の夜北海道を離れ子犬を4頭乗せて帰路に着いた。
6頭の子犬を無事送り出し、新しい飼い主さんに手渡しで渡せた。子犬が暮す環境も確認でき、私がはなの繁殖を考えているときから望んでいた渡し方だった。それをやらせてもらえたうれしさと子犬を出した寂しさと入り混じった複雑な旅であった。