第一回『犬はべらしてダラダラ、ホゲホゲしようキャンプ』

 
 

 

第一回『犬はべらしてダラダラ、ホゲホゲしようキャンプ』

夏盛りの時・・・犬抜きで犬関係の人と何かしたいと思っていた。今年に入ってからマラミュートを他に見たことがないと言われる人たちと知り合いになっていたのでどんなもんかとお見せするのにうちの犬だけでは片手落ちと思っていた。

じゃあ、キャンプでもするか!

人数が多くなりそうだったので本当に来たいと思ってくれた人だけに限定しないと後々揉め事が発生すると思い、はなの掲示板で募集した限りでよそでの宣伝もお誘いメールもなしでのキャンプとした。参加希望は30人を超えていた。

キャンプ場の予約・・・大型犬のマラミュートが17頭というだけでやんわりそしてキッパリ断られた。前途多難な感じがしていた。その頃より仕事が忙しくキャンプ場の予約も遅れ気味・・・しびれを切らしたカイさんが予約をしてくれた。

場所は「赤倉の森オートキャンプ場」。今回ご迷惑をかけることとなったキャンプ場である。

キャンプ直前、北海道のりきまるが亡くなった。
私は大ダメージを受けていた。こんな気持ちでキャンプなんかいけるのか?もしかしたらみんなもそう思っているのじゃないのか?行きたくないのを言い出せずにいるのではないだろうか・・・メーリングを立てて連絡を取っていたのでそこに「キャンセル可能です」と流した。

私は・・・・りきまる、りき母がつなげてくれた輪で集まった人たち、たくさんのマラミュートと一緒に時間を過ごしたかった。そこでいろいろ考えたかった。マラミュートに囲まれてゆっくりしたかった。参加のみんなもそう感じてくれたようだった。

当日、りきまるの死からすべてのやる気をそぎ取られていた私、準備は何も進まなかった。ただ呆然と座り込んでいた。何度となく「もう、いけないのか?」と思いつつなんとか犬を積み込んで出かけた。キャンプ場につけば遠隔地からの人たちがすでにタープ、テーブルをセットして準備万端になっていた。

私もふんどしを絞めなおし、自分たちのテントを立てた。人数いるので何事も本当に時間かからずできた。

そこから3日間、豪華な食事とダラダラ、ホゲホゲするキャンプが始まった。

いつも大会会場でちょっと話すだけのみんなと3日間いろいろな話をたくさんたくさんした。しかし、一切不自然なくらいりきまるの話が出なかった。みんなは衝撃を受けていないのかと思うくらいまったく話が出なかった。私もあえて出さなかった・・・・。

夜中1時過ぎてから・・・Alex父が「俺は掲示板にも書き込んでいないし、あったこともないりきまるだけどあの掲示板を見たら涙が出てきた。」と話し出した。

そこから私たちは犬達への接し方、予防、看病の話をした。りき母からも「もしりきまるの話が出たら・・・」と伝言を受けていた。私は私でりき母がHPを持っていたことでのいろいろな弊害を感じており、いろいろな気持ちを持っていた。しかしみんなが話す話を聞いて、私は「ああ、もうちゃんとみんなの中でりきまるの死を受け止め自分たちの犬への投影も済んでいる。」と驚き私の心配もりき母の伝言もぶっ飛んだ。

みんなは飼い主さんの自分の犬への病気の予防&治療の美学、思いを話していた。その中でカイさんはカイの腰の治療&リハビリを越え、終了しかかっているところだった。

私は理想を追えば完全予防に何百万かけても治療する・・・かも知れない、しかしすべてに限りがあって、すべてに限りがあるべきだとも思っていた。カイさんが言った「私はカイの気持ちはわからないし、数々してきた治療もカイがどう思っているか分からない。はっきり言ってカイへの治療は私の自己満足だ。」私はこれが本当、真髄を表していると思った。

飼い主が思うように犬へ予防し治療すればいい話。他人にとやかく言われることでもないしすべて飼い主が決めることである。

この3日間、みんなと話をしていろいろなことを考えていた。

私は自分一人で犬に向かっていると見えなくなること、わからなくなること・・本当は迷っているのに気が付かず迷路に入り込んでいること・・・HPを持っていることで少しずつずれておかしくなる自分の中の“軸”。極端に偏っていく意見。私の一番嫌いなネットにはびこる極端な正義感まで生まれてこようとしていた。・・・・・こんなのは勝手に直ることもないし、おかしくなる一方で気が付く前にいやらしいページを持つ嫌な人間に成り下がる。

今回みんなの話をいろいろ聞いて自分がおごり高ぶっていた部分、足りない部分。いらん心配いろいろいろいろ認識することができた。貴重な体験だった。

そしてもう1つ、今回サラたちの兄弟が6頭集まった。気がつくとサラたちは1歳7ヶ月にもなっていた。マラミュートを始めて飼った飼い主さんたち・・・もう子犬時代も終わりに近づきマラミュートのオーナーとしての風格も余裕も出てきているようだった。もう私のフォローも助言も必要ない。私の役目も終わりである。これからははなの子供の飼い主さんではなく、一マラミュートの飼い主同士としてお付き合いをしていけるような気がした。

 

私の所感はこのくらいにして・・・・

3日間のハイライトはなんだったろう・・・食べ物とくだらない話か?1日目の夜、「うるさい!」とキャンプ場の人に怒られた。そう、アメリカンコーヒーとエスプレッソコーヒーとどちらがカフェインが多いかという話だ。こうやって文章に書くと実にバカバカしい。

その後、肛門嚢の話の時も相当うるさかった。私が昔肛門嚢をどうやって絞っていたかという話から現役で絞っているまりのさんの「犬のうんこが綺麗に切れてつるっと落ちるのは肛門嚢のおかげ」という発言に私が「私も肛門嚢が欲しい!」と発した。「げえ〜〜〜〜〜〜〜いらないよぉ」相当なブーイングを浴びせ掛けられた。うるさいってぇのね。

トイレットペーパは必要なくなりなんてエコロジックないい案だと真面目に思う。オイルショックの時ですらトイレットペーパーに並ぶ人を横目に「まだそんなもん使ってるの?!」と小ばかにでき、ウォッシャートイレもこの世の中から消え去る。まあ障害としては時々肛門嚢を自分で絞らないといけないということくらい。まあそれも「nojiさん最近お尻臭いよね」とか言われたら絞ればいい話。

そしてどんな人にも・・・・忙しいときも寝たきりになっても肛門嚢さえついていたらぁ!と思うことが必ず来るはずだ。やっぱり人類を救うワンダホな機能である。

3日間、座っていると大皿に入った食べ物が人の手を伝って流れてきた。コーヒー担当の私は7杯入れれるコーヒーメーカーどれだけ入れただろう。飲み続け、食べ続けた。私もいろいろ作ったが使い終わったなべを横に置くと5分後には綺麗に洗われて次の料理に使われるのを待っていた。ミラクルなキャンプだった。

最終日、それでも食べきれない食料たち、メニュー決めがあり・・・餃子の用意があったのだが・・・まりのさんが中華料理人ということで改めて餃子を作ることになった。

私は餃子は得意料理に入れている。餃子包み歴25年とも言える・・・しかし、全然違った。そこにいた妻たちもそしてなぜだか分からないが夫たちもまりのさんのだんな様のご教授により餃子作りに熱中していた。雨のしとしと降る中、無言で餃子を包むマラミュートたち、本当に変な光景だった。

餃子講習会中

包む包む包む包む・・・包んだぞぉ!!

私の包む方向とまったく逆の方向で包んでいた。水を使わず具を利用して織り込んでいく。。。。「この山の半分を織り込んで・・・」ってだんな様の持っている餃子にはその山があったが、私の持ってるのにはその山すらなかった・・・そして焼き上がった餃子はマジうまだった。恐ろしい。

 

 

平和な記念写真の直前はもちろんガウガウガウガウ!

アボアストップで黙らされているはな
寝ているはなに写真撮るよ!とカメラを向けたら起き上がり繋がれているペグの後ろに座った。
「私こんなひどいことに合っているの」相当怒った顔である。

サラはねぇ、なんでも大丈夫なんだよね!!

私の顔を見たら文句を言っていた優、文句のシーン。

3日間トラブルもなくナマケモノの言い出しっぺの企画したキャンプが大盛況に終わったのはひとえに参加していただいた方々のご協力の賜物です。本当にありがとうございました。