すぐさま車の下に入ったっきり出てこなかった。名古屋は日差しも強く暑かったので熱中症を起こさせないよう、犬たちの走りたくないという意思表明の時には走らせないようにしている。サラは練習あまりさせれず、帰り車に乗せるときサラのお腹が膨らんでいるのに気が付いた。
サラは車に乗せるときに餌が必要なのだが、いつものようにがっついて飛びのったのではなく仕方なくっていう感じだった。
サラはトイレ我慢することがあるのだがその日もしていなかったのでそのまま家に戻りトイレをさせた。お腹の状態とサラの様子を知るために庭に出しおしっこする様子を観察していた。
おしっこをしているときのサラの体の震えは尋常ではなく「いかん、おかしい!」と一大事に気が付いた。
私がその場で想像したのは3頭でじゃれているときとかどこかでぶつけ何かでの臓器破裂で、出血しているのか、拾い食いの女王なので胃や腸に何かが詰まっているのか・・・何が原因でもお腹が腫れてくるということはそのまま様態が急変して死ぬことがあるので私の足が震えた。
かかりつけの獣医さんに連絡をしたが土曜日の6時ということで病院ではつながらなかったため、年賀状の住所を頼りに自宅を探した。先生に家の前ででも診てもらい緊急性だけ判断してもらい日曜日にでも出直してと判断を仰ぎたかった。
しかし2時間探し見つけられず、ここでの判断ミスが命取りになると家に戻り名古屋タロがかかっている獣医さんを紹介してもらおうとタロのうちをたずねた。
電話で症状を話したとき既にこの急性鼓腸症ということを言われたが、スタッフが帰ってしまっているので大型犬の開腹手術に対応できないとのことだった。何軒か信頼できる病院を紹介していただいたがそこも連絡が取れず・・・。私の経歴を知っているその獣医さんは緊急オペになったら私が補助に入ることを条件に診察してくれるということで病院に向かった。
お腹の痛みを耐えながら助手席にうずくまっているサラを見て、自分がしたことを後悔していた。こんなことで私はサラを死なせるのか・・・それはできない。
「サラ、私はあなたとまだ何もしていない、あなたに何もしていない、逝くな逝くな」
と声をかければ荒い息の中こっちをむいた。病院に付き降りようとしないサラに
「大丈夫、あなたはまた生きてこの車に乗るんだから大丈夫」
開腹手術になったらもう戻れないと思っていた私が私自身へ語った言葉だったのかもしれない。
診察室に入ったとき獣医さんは「あ、まだこっちからの反応するね!大丈夫大丈夫」と言ってくれた。こんな感じで幸い発見が早かったので緊急オペにはならず、治療を受けて帰ってきた。
明らかにガスは溜まっているので水を飲まないように皮下点滴を受け、ガスを抜くように筋弛緩剤も打ったのでサラはフラフラになっていた。
夜中に様態急変してもいいよう、居間に布団を敷き詰めてサラを抱えながら夜を明かした。
無事朝を迎え若干しぼんだお腹を見て私は「サラ助かったね!」とサラを抱きしめた。
全身に震えが着ていたサラだがいつものように顔を舐めたおされた。
現段階で私が理解している鼓腸症の症状、原因と予防策をは以下の通りになる。
食事の習慣、運動のさせ方、拾い食い・・・要因はいろいろあるようだが、鼓腸症は再発、習慣の持つ病気らしい。発症してから24時間以内に死に追いやることのできる恐い病気で開腹手術をしてガス抜きをして、胃などの捻転を防ぐように筋肉に固定したりとして鼓腸症による弊害が収められたとしても術後心不全を起こしたりと獣医泣かせの病気のようだ。今回のサラもお腹だけではなく全身に影響が出ているのでその恐さはよく分かった。
原因
■大量の水、フードを摂取した後、激しい運動をさせる。
■誤飲誤食により胃、腸をふさいでしまう。
■ガスの発生しやすい食事を習慣的に取らせている。
■以前に鼓腸症を起こして習慣性を持ってしまっている場合。
などである。
サラに思いつくことは
1:大量の水を飲ませた。
2:ふやかしたフードを食べた。
3:キャベツをやや大きかったが一緒に食べた。
4:自転車で練習をした。
5:朝3頭はゴミ袋にいたずらしてゴミをあさった。
である。
それぞれ単体としては問題のないこと(5番は除く)だったがその組み合わせが悪かったと分析している。まだ胃や腸内に食べ物水分が大量に残っておりそれに自転車練習となった。
私は前の週仕事で家を空けるため実家に3頭を預かってもらった。週末3頭と家に戻った後サラのうんこには消化されなかったキャベツが出ていた。フードだけ渡してあったのだがいつも私がキャベツを刻んで煮てやっているのを知っている母が作ってやってくれたものだった。サラが元気になりつつあった月曜日母に電話をしてサラに起ったこと原因と予防など・・を話した。母は即座に「キャベツやった」と話してくれた。それ自体問題があったわけではないので「ありがとう。」と返事をした。
私が考えている原因はいくつかの組み合わせを【私が失敗している】ということだった。
練習を始める時間が少し早かった、実家の母がやってくれたキャベツがでかかった。。。名古屋は暑くなりだしで水にひたしたフードからもガスが出ていた可能性もある。どれが直接原因になっているかは今となっては分からないがこれの組み合わせが引き金になっていると思っている。
どれも激しい運動をさせるタイミングさえ間違えなければ問題のないことばかりである。
今回のことで痛感したのは「信用できる獣医さんは2軒以上必要」だった。サラが助かった大きな要因は行き当たりばったりだった2軒目の動物病院がいいところだったこと。内臓のトラブルは一分一秒が命とりになりますので落ち着いて判断できるよう。
それで犬は救える。
2回目、これを起こさないために私は最善の努力をしよう思っている。