私がこの1年半、20ほどのドッグショーを見てきて、持っているイメージとしては・・・ショークオリティの犬がいて、仕上げ、ハンドリングがあり・・・ブリード戦、グループ戦、総合と対戦する犬たちの内容、それに関わるジャッジの重きを置いている点、好み、得意犬種・・・それが全て同じ方向を見ない限り勝ち残っていくことは難しい、っていう感じだ。自分が信じるピカイチの犬で参加し、ジャッジがそのピカイチの部分を評価してくれるのを待つ。こぼで言うとワーキングドッグである力を秘めた走り。筋肉である。今回は、それぞれの星が独自の軌道を描き回っているのが1列に並んだような、そういう巡りが私たちに巡って来た。そんな感じだった。
こぼをアメリカへ迎えに行ったのは、丁度2年前になる。
ショーに出せるかも?と思った時から、ブリード戦が成り立たない今日、私のハンドリングでグループを上がっていかないとカードも貰えないし、てこずるのが見えていた。こぼは私が繁殖した犬ではない。Carmenたちの期待の犬だ。失敗するわけにはいかなかった。
信頼できるハンドラーさんを探していたところ、宮家さんを紹介していただいた。電話をして・・・犬を見て欲しいと宮家さんの犬舎を岡山まで尋ねた日から、土砂降りのショーデビュー、唯一私がハンドリングしたナイターとなったクラブ展。。。毎週のチャリでのトレーニングに、大会参加、キングにリザーブキング。本部展の帰り道はいろいろいろいろな思いが巡り。。。
こぼは、私の理想とする「パーフェクトなマラミュート」ではない。
いいところもたくさん持っているが、いくつも欠点を抱えている。その中には生まれ持ったもの、橇のトレーニングで起こってくること、今の生活環境でなってしまっているもの含まれている。
こぼのマラミュートとしてのボディのいいところ悪いところ、それらを私は完全に認識している。
そんなこぼは「こぼ」として、こぼのパーソナリティと、ショウイーな性格、宮家さんと一緒にいられる「ショー」を心から楽しみ、それは見ている人たちにも伝わってくるほど自然で無理のない世界だ。
宮家さんもこぼの欠点も掠めてしまうほどのショーイングを見せてくれる。今回、ブリード戦、グループ戦、総合と3回のショーイングを見たが、宮家さんとこぼは終始、和やかでシャープなショーですばらしかった。
こぼをショーに出すこと、宮家さんにハンドリングをお願いすること、本当にいろいろな方面よりいろいろな角度で、いろいろなところでいろいろ言われた。今思っても何が起こった?!って言うほど笑ってしまう状態だった。
常に、私は地に足をつけ、そもそものショー参加の目的は今も見失っていない。こぼと必死に走ってきたのも、こぼのブリーダーたちが日本に送るこぼに期待を込め、私に送り出してくれたことへの恩返し、仕上げを失敗していないことの証明。この2年間の私とこぼの結果をこぼのブリーダーたちは認めてくれている。
【Special Thanks!】
Co-Owner and Breeder
Carmen Rowe
GRYHPON
Alaskan Malamute
Co-Breeder
Twila Baker
QUINAULT
Alaskan Malamute
Breeder
Jocelynn Knoll
SnoShire
Alaskan Malamute
人生にはいろいろな岐路があり、苦渋の選択をすることが多い。私の人生にもいろいろな岐路があった。その選択が間違っているか、そうでないかはその後の生き方が大きく影響をする。私はそう信じているので、選択で大きく方向を変えた場合は必死でそれが正しい選択であったことを証明する。
こぼの加入も悩み決めた。Carmenも悩み、決めた。結果『よかった』とするためにはよかった、にすることが必要だった。
思い直しても、どの時点でも判断は間違ってはいない。人にはそう見えないのかも知れないが、こぼと私と他の犬たちの活動は私の信念理念の上に行われている。
ショーで言えば、こぼは私独自の理論の元トレーニングをして仕上げた犬である。それをドッグショーの会場でどう評価されるのか知りたかった。
トレーニングの成果を本部展の大舞台、スポットライトの下で見れた。感無量である。
まだまだ実現できていないものもあるし、実現できたものもある。実現したいこともまだまだたっくさんある。これを1つの通過点をして1つ1つ実現していきたい。