第2章 誘拐犯

 
 

家族の了解を得ないまま、はなを迎えに行く日が近づいていた。

反対の父親は犬の話になると私の話は一切聞こえなくなり鼻歌を歌っていた …

3月8日大安。 はなを迎えに片道6時間の運転となる。 1人で迎えに行くつもりだったが友達が1人付いていってくれるっことになった。 運転はできないけど話し相手にはなってくれそうであった。

朝6時に名古屋を出発して12時半ごろブリーダーさん宅到着。 産室から一番にはなが覗いた。忘れられないシーンである。

はなは兄弟の中でもレナと呼ばれていた子犬と仲がよく、いつも2人でいっしょだとブリーダーさんは言っていた。その2頭飼いを薦められていた。そもそも迷っていたわたしが言い出した話しで、迷っている2頭を飼ってしまえばはなの1人のお留守番もなく1石2鳥だ!と思った……「2頭飼えば問題解決!!」発言で、またも、家族から罵声を浴びることとなった。

そんなことで、はなだけ譲ってもらうことにしていた。 車にはなを載せたとき はなは恐怖のあまり固まっていた。足の裏はびっしょり汗をかき ぴくりとも動かなかった。レナとの別れではなをレナのところへ連れていったら2人はしがみついて抱き合って離れなかった。その光景は涙が出るほどで、別れを経験し尽くしているブリーダーさんも『2人とも連れていって』と言ってしまうほどだった。

自分の子犬以外の子犬に乳を分けてやる性格の温厚な母犬、たくさんの兄弟やオス犬にかこまれて2ヶ月育ったはなのこれまでの環境は申し分の無いもので その時の経験を生かすも殺すもわたし次第となってしまった。責任重大である。

名古屋への6時間の長旅へ出発

2人の誘拐犯との逃亡ドライブが始まった。はなは3時間もすると緊張と初めての車に疲れ果てて睡魔に襲われていた。が、寝ると殺されるかと思っているのように足を踏ん張っていた。最後にはいっしょに付いていってくれた友達とはなは深い眠りについていた。 ご苦労様でした。はなちゃん。

家についたのは夜中の12時近かった。しばらく暮らす家の中、8畳の居間をとりあえずはな用にセットした。彼女は1人にされるのを極端に怖がった。これからどうする、はな??

ここから、2人の楽しい生活が始った。