第21章 初めてのショー挑戦

 
 

初めてのショー挑戦

はな、最後までテールアップで偉かったぞ!!

ショー終了でお疲れ状態の2人。

 

初めてのショー挑戦 このページを持ってからいろんな方たちとお知り合いになることができ、みなさんがそれぞれに犬との生活を楽しんでいる様子が伝わり、いったいはなと私も2人で何ができるんだろうかと模索を始めていた。

はなを連れて名古屋の地下街を歩く…ではなく、彼女が楽しめることを考えていた。

ショーは犬関係の人からよく聞く話である。そして、よく聞かれる話である。出たことはない。雑種を飼っていたのがほとんどであるのに加え、紀州犬、ミニピンの純血種を飼っていたときも父親はまったく興味を示さない、以前にショーに対しては否定的だったので参加はなかった。

いいか、わるいかを話せるのはやってみないと分からないので「出てみるか!」で申し込むことをした。

この年になってやることでこれほど右も左も分からないことは少なく、かなり楽しかった。 一言一言が初めての新鮮なことで「分からない、困った」と言いながら顔は笑っていた。

・名古屋の平和公園で行われる150頭リミットショー。
(リミットショーってなに??何がリミットなの?書類審査でもあるのか??)
→申込から150頭で締め切るショーのこと

・ショー用リード
(ショーの写真は細い針金のような黒いリードが写っているがあれはなに?どこで手に入るの??)
→パラシュートリードといい、大きい犬屋さんか、ショーの会場で即売されている

・ショーでの振る舞い
(ショーの会場のどこをどう走ればいいのか?) →体を見てもらったあと、トライアングルといって3角形を描くように走る。ジャッジが手で円を描く指示があれば丸く走る。犬は人の左側を走る、3角形のかどは人を中心として犬を回し右回りで回る。

・ショー用トリーミング シャンプーをしたあとどうやって乾かして、ヒゲはどうするの??)
→できるだけ大きくふさふさに見せるために毛を逆立て空気を入れる。マラミュートはヒゲはきっても切らなくてもいいようだが、はなは切った

などなど、きりがないほどの項目が続く。

 

ショーの結果と反省点

幸い天気もよくはなの毛はつやつやと光り輝いていた。決して対戦相手に見劣ることはなかった。

反省点2点は、はなをしょーの為にトレーニングしきれていないのでそのために起こった。

1点目:はなはつけのとき私の右側につけるようにしつけあるので、ショーを走る時に右にまわりこもうと私の脇に引っ付いてしまいまっすぐ走れなかった。

2点目:今回のジャッジの人はしっかり体を触る人で、かなりごまかしたのだが、心配した通りはなの脇を触った時”ひぃ”と顔を動かしてしまった。ジャッジの人は1度はなの体から手を放してしまった。相手犬に劣る劣らないとかではなく、審査してもらう以前のお話だった。

はなは私の右に回ろうと寄ってきてしまう。

私が止まると座るようにしつけてあるので座ってしまう。

 

そして、ショーに出場後思うこと 私はプロのハンドラーではないし繁殖者でもない。ショーの意義が見つけられなかったのでショーに対しての否定的な考え方は消えなかった。

それは1位を取れても取れなくても、はなは はなでありショー出場後なにもかわらない。

今回、否定的な考えが変わらなかったいくつかの要因としては はながショー参加を望んでいると感じられなかったことである。私は日常を打ち破る新鮮さに楽しんだが、はなは”なんで?”の目をしていた。

ジャッジの指差し(1位の犬に対してする行為)の意味をいずれ彼女は理解する。そんなことはつらい、などと考えた。

また、はなの毛が整い、ショーに出すまでのトレーニングを積めば負けないと思ったこと。

負けないって、誰にか。・・・・相手の犬に対してである。

雑種と暮らし続け、すべての犬を愛していると言いながら大嫌いなスタンダードに沿った犬をよしとしようとしている自分が居たことである。愛すべき犬たちに順位をつけようとしている自分が居たことである。

今まで飼ってきた犬たちにだれか1頭にあなたが一番なんて言えない。みんな帰ってきてくれていっしょに暮らしたいと真剣に思っているのに。

他の犬に負けないと思ってしまったことは恐かった。

帰ってきて はなの大切な”α犬”の父親にド叱られた。中途半端な考えでショーに出るなという父の言うことも理解でき私は落ち込んでしまった。

一連の私の気持ちを察している はなもただただ、ひざの上に前足をのせ私の胸に頭を押し付けていた。

しかし、否定的な考えは消えていないが、 今後も機会があればショーに出ようと思っている。はなは今回の経験を期にまた一つ大きく変わったようだった。年齢とともにだが、人に触られることに馴れ始め落ち着き始めた。

私がはなを1番にするためのショーではなく、いっしょに走ってみるイベントとして参加しようと思う。

ショーを追いさえしなければ、がっかりしたり負けないと思ったりしなければ、はなはショーの本当の意味に気が付かないだろう。

ショーのリングの中をしっかり走ることを目的とすれば、ジャッジに触られても淑女的に振る舞えることを目的とすれば、彼女がしっかり走れてマナーを守れたら私はうれしいし、彼女を誉めてやれる。 彼女のしつけの仕上げを目的として、今後はショーに出場しようと思っている。

今回は私の迷いがはなに伝わり、はなはブルーになっていたが今度は、はなといっしょに楽しめるように。ショーは閉ざされた世界ではなく、一般の飼い主さんが犬自慢に現れていいところだと思うので、と飼い主ハンドラーで出て行きたいと思う。

前足の出方、結構いいじゃん!!今度はちゃんと触ってもらおうね